耳の診療

耳の診療について

耳の痒みや痛み、つまった感じ、聞こえづらい等、耳の症状についてご相談ください。自分では見えない鼓膜も顕微鏡を通してモニター画面に写し出し、患者様ご自身でも耳の中の様子を確認していただけます。

耳の病気

外耳

外耳湿疹

いわゆる耳が赤く湿疹状態になったもので、熱く火照った感じや痛みを感じることが多い。弱いステロイド軟膏の塗布などで改善をはかります。

耳介血腫(血豆)

いわゆる耳の皮膚の直下に血液が溜まったもの。耳介を強く擦ったり、ぶつけたりしたことによる外傷が主な原因。止血剤などで縮小しない場合は針を刺して吸引除去し、数日間は圧迫固定したり、再発を繰り返す場合は切開を加えることもあります。柔道やラグビーなどの格闘技系スポーツで耳介に何度も刺激が繰り返し加わることで耳介が変形してしまっている方も多いです。

先天性耳瘻孔

耳介の前方基部に<入り口が>あることが多く、先天的に皮膚の袋が皮下にトンネルのように潜り込んでいるもの。炎症を起こさなければ放置しておいてよいのですが、炎症が起きて膿みを作ると痛みが強く、抗生剤で治らない場合は手術で袋を丁寧に除去することもあります。

外耳道異物

綿棒の先、消しゴム、砂、昆虫、髪の毛、紙片、ビーズなどが様々な理由で外耳道内に入ってしまったもの。傷をつけないものであれば慌てて取り除く必要はないのですが、違和感や痛みが強かったり、聞こえに影響が出ている場合は早めに摘出することが望ましいです。また元々鼓膜に穴が開いている場合は異物が鼓膜の内側に入らないうちに摘出するのが望ましいです。

限局性外耳道炎

多くの場合が綿棒で耳の中の奥の部分をこするように掃除をすることで生じます。お風呂上がりの耳の中の水拭き取りでも生じることがあります。硬い耳かきよりも、意外と柔らかい綿棒で強く擦ってしまうことが原因になることが多いようです。症状は耳痛や側頭部痛、耳の圧迫感や聞こえづらさですが、実際に聴力低下はありません。

耳せつ

限局性外耳道炎に類似していますが、外耳道にいわゆるおできみたいな膨らみができて、痛みを伴ったりときに耳だれも生じることがあります。表面に穴が開いて排膿している場合は点耳液などの外用薬も効果を期待できますが、排膿していない場合は抗生剤の内服を中心に処方します。

外耳道真菌症

外耳道内にいわゆるカビが生えたもので、強い痛痒さを生じることが多く、かなり我慢しづらい状況になります。カビを除去して治療薬のクリームをたっぷり塗ることが治療の中心です。外耳道炎で汁が溜まっているところにカビが生えることが多いので、カビの治療のあとに抗生剤の点耳液などで炎症を治療する必要があります。

外耳道真珠腫

外耳道内部に塊をつくる炎症を生じ、その塊が少しずつ外耳道の皮膚を削って広がるもので、皮膚の下の骨も溶かしていく特殊な炎症です。鼓膜に穴を開けたり、骨の融解が高度になる前に手術が必要になることもあります。

外耳道損傷

多くが耳かき中に不意の力が加わったことで、外耳道の皮膚を損傷し、出血や強い疼痛を生じます。損傷が強い場合は一時的に聞こえづらくなることもあります。点耳液や軟膏剤などを用います。

鼓膜

水疱性鼓膜炎

鼓膜に透明な水ぶくれを生じるものですが、急にできるため激痛を生じます。乳幼児に多く、夜中などにいきなりギャーッと泣き出すこともしばしばです。子供の発熱のない耳痛のみの場合は応急処置として坐薬でも鎮痛効果あります。耳処置で水ぶくれを潰すと痛みもすぐ取れますが、ときに繰り返すこともあります。鼓膜炎自体は聞こえにはほとんど影響はありません。

外傷性鼓膜穿孔

耳かきなど先端が硬い棒状のもので偶発的に鼓膜に穴を開けてしまったもの。化膿させないために抗生剤の内服や点耳液による治療で、1−2週間程度ではきれいに穴は閉じます。鼓膜の損傷範囲が大きい場合やその内側の耳小骨が損傷受けて聞こえが低下した場合は、手術で修復する必要がでてくることもあります。

中耳

急性中耳炎

急激に耳痛や高熱、難聴や耳だれなどを生じる代表的な耳の病気です。かなりの激痛で、炎症が高度な場合は緊急で鼓膜切開をする場合もあります。緊急でなければ抗生剤その他で治療を行います。治る過渡期で後に解説する滲出性中耳炎に移行することもありますので、痛みがとれても完治するまで通院を中断しないように心がけてください。

慢性中耳炎

鼓膜に穴があいていて、散発的に耳だれが出てきたり、軽度〜高度の難聴をきたしています。耳だれの治療をまず行います。耳だれが停止して安定していて、検査により鼓膜を閉鎖することで聞こえが改善する見込みが確認できる場合は、鼓膜閉鎖術や鼓室形成術などの聴力改善手術を検討します。

滲出性中耳炎

中耳腔(鼓膜の内側)に滲出液がたまって軽度難聴やふさがった感じ、耳に水が入った感じを自覚するものです。原因は耳管が何らかの理由で狭くなったり詰まったりで中耳腔内の空気の気圧の調整がうまくできなくなって生じます。多くは鼻が悪くなって鼻が詰まったり鼻すすりをすることがきっかけになることが多いです。鼻の状態をよくすることで改善を図ります。小さいお子さんなどは家庭で鼻の吸引を5ー6回以上に増やしたり水分摂取量を増やして鼻水の粘りを減らすことなども必要になります。鼓膜の内陥が改善せずに長引く場合には、耳管通気処置をしたり鼓膜切開をすることもあります。

真珠腫性中耳炎

中耳腔に柔らかい塊をつくる炎症性疾患で、大きくなると音を伝える耳小骨や周りの骨を溶かすことのある難治性の中耳炎です。症状の少ないものから耳漏や難聴を生じたり、重症の場合はめまいや顔面神経麻痺や髄膜炎などに至ることもあります。

耳硬化症(出産後の女性に時々みられる)

鼓膜に届いた音の振動を内耳(聞こえの神経細胞のある器官)に伝える耳小骨のうち、一番奥のアブミ骨の底板が内耳の入り口の骨と固着してしまい、音の振動が内耳に充分に伝わりにくくなる病気です。遺伝的になりやすい人もいらっしゃいますが、出産後の女性に比較的多くみられるとされます。治療は進行性の場合は手術で固着した部分を解除することが必要になることもあります。

耳管開放症

滲出性中耳炎のときと異なり耳管がやや開き気味になってしまう状態です。自分の声や呼吸音や心臓の鼓動の音が耳の中で大きく響くのが<特徴的な>症状です。人と会話をするとき、相手の声と自分の声がぶつかるため会話に著しく支障を来し、かなりのストレスをもたらします。鼻の奥にある耳管の<入り口の>粘膜の壁の厚みが水分不足から薄くなった結果、耳管の内腔が拡がって開放症となります。そのため水分量の少ない年輩の方や風邪や発熱、脱水症などで全身から水分量が減った方によくみられます。

内耳

突発性難聴

急に生じる<原因不明の>神経性の難聴です。ときにめまいを伴うこともあり、鼓膜所見を確認し、聴力検査やめまい検査、ときにはレントゲン等の画像検査その他を組み合わせて慎重かつ迅速に診断<を行う>必要があります。発症してから2週間以内に有効な治療をしないと治癒が困難となります。また中等度以上の場合は県内だと琉大病院で高気圧酸素療法を併用するのが最も治療効果をあげている方法です。

加齢性難聴

年齢とともに徐々に聞こえが落ちてくる難聴です。早い方は40歳代から始まる方もいたりなど殆どの方に起こります。単に耳が遠くなるという現象だけではなく、聞き間違いも徐々に多くなるため、口元を見せながらゆっくり話しかけると伝わりやすくなります。聞きづらいと感じ始めたら補聴器の試しどきと思います。当院では補聴器適合検査を行なっておりますので遠慮なくお申し出下さい。

急性低音障害型感音難聴

急に低い周波数の音だけが聞こえにくくなり、めまいを伴わないものをいいます。125Hz、250Hz、500Hzの低音域3周波数の聴力レベルの合計が70dB以上などの条件があります。比較的若い女性に多いとされています。内耳の「内リンパ水腫」が原因とされ、当院では「内耳循環改善薬と漢方薬の」併用療法でほとんどの方が改善されています。

回転性めまい(主に良性発作性頭位めまい症など)

とくに起床時に寝返りをうつときに強い回転性めまいを生じ、壁や天井がグルグルと回り、起き上がるのができなくなるものです。回転性めまいの多くが内耳性で、内耳にあるリンパ液の状態を改善することで症状は軽減されますが、中には脳が原因になることもありますのでCTやMRIで脳の異常がなければ耳鼻咽喉科で調べます。眼振検査や重心動揺計検査など種々の検査で原因を確定します。

メニエール

回転性めまいが概ね30分間以上続くのが特徴で、鳴り響く耳鳴と、低い音を中心とした難聴の3主徴が基本で、反復するにつれて徐々に聴力が低下して高度難聴になることもあります。

前庭神経炎

三半規管を支配する前庭神経に炎症を生じ、ひどい回転性めまいが長期間にわたり続くことがあります。風邪症状が前駆症状となることが多いとされます。脳の原因を否定できてなかなか止まらない回転性めまいという特徴があります。寝返りなどとは関係なく回転性めまいが続きます。

外リンパ瘻

内耳にあるリンパ液が、重いものを持ち上げたりなど強く息んだり、激しいくしゃみ、強い便秘などで腹圧がかかったりなどが原因で外部にもれてしまう病気です。飛行機搭乗やダイビングなど気圧の影響を受けることが誘引となることもあります。診断は慎重に行い、安静で改善しない場合は漏れた部分を手術で塞ぐこともあります。

聴神経腫瘍

脳から内耳にかけて走る聴神経の周囲が腫瘍性に増大して、聴神経そのものを圧迫することで難聴や回転性目眩などを生じる病気です。突発性難聴みたいに急激に聴力が落ちる場合と、徐々に難聴を生じてきたところに急激に聴力が落ちるという経過を見ることもあります。聴力検査で聴力パターンを検討したり、神経の伝達スピードを計測する検査や脳MRIその他で診断されます。聴力の低下の度合いや腫瘍の部位によって治療方針は異ります。

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首里の杜 耳鼻咽喉科