はじめに

2011年(平成23年)5月6日に、生まれ育った那覇市首里に開業しました。早くも10年が過ぎ、関係者の支援と患者様及びそのご家族などその他多くの方々の信頼に支えられて今日まで続けられたことに心から感謝申し上げます。

私は日々の診療の中で、患者さん一人一人が訴えている症状や背景（社会的要因、心の状態など）を聞きとり、みみ・はな・のどの状態をしっかりと目で見て、手や器具で触れ、胸の音を聞き、把握するよう努めております。これは学生時代、「部分だけを診るのではなく、全身を担当する内科医として捉えなさい」という恩師の教えが今の私の診察に大きな影響を与えているからです。耳鼻咽喉科は多くの患者さんを診なければならない科目です。限られた時間の中ではありますが、できる限り患者さんの訴えを聞き取り、少しでも患者さんに症状を理解していただき、一緒になって治療に向かっていきたいと考えております。

耳鼻咽喉科は、生まれた直後からご高齢者まで老若男女の全てを対象としております。言葉や音を「聴く」、息を「吸う」、匂いを「嗅ぐ」、言葉を「話す」、「飲む」、「食べる」、「味わう」に加えて「めまい」など毎日の生活に直接関わる領域を扱う科目です。これらは、コミュニケーションのための大切な器官であると同時に、生活を豊かにする大切な器官でもあると私は考えています。これらの一つでも具合が悪くなると人は日常生活に支障をきたすことになります。そのため、少しでも早く患者さんの症状が改善され、快適な日常を取り戻していただきたいという想いで日々診療に取り組んでおります。

また同時に当院の理念である「患者及びそのご家族に対して心を開いた医療を提供する」にあるように、患者さん個人だけでなく「家族の想い」も含めて治療にあたっていきたいと考えております。

私にとってこの地域は小学校・中学校時代を過ごし、お世話になった方々の顔が目に浮かぶ大切な地であり、強い思い入れがあります。これまで培った私の経験と日々研鑽を重ねているスタッフの力を合わせて、多くの皆様のかかりつけ医として気軽に訪れていただけるよう、これからも頑張っていきたいと思います。